人言の讒しを聞きて玉桙の
道にも逢はじと言へりし我妹
- 歌の意味
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人の中傷を聞いて、道で行き会うことさえするまいと言った、いとしい妻よ。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2871
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
人の中傷を真に受けて、道で会うことさえ拒んだ恋人を思う男の歌である。体言止めの呼びかけに、恨みとも未練ともつかない複雑な思いが込められている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「人言の」は、世間の人々の言葉、噂をいう。
二句「讒しを聞きて」の「讒し」は、事実を曲げて悪く言う中傷の意である。
三句「玉桙の」は、「道」にかかる枕詞である。
四句「道にも逢はじと」は、道で行き会うことさえするまい、の意で、「じ」は打消の意志を表す。
結句「言へりし我妹」は、そう言った妻よ、と体言止めで呼びかけ、恨みとも嘆きともつかない思いを残している。
よこす:事実を曲げて悪く言う、中傷する
たまほこ:「道」にかかる枕詞
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が背子が来むと語りし夜は過ぎぬ しゑやさらさらしこり来めやも
- 次の歌
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逢はなくも憂しと思へばいや増しに 人言繁く聞こえ来るかも