里人も語り継ぐがねよしゑやし
恋ひても死なむ誰が名ならめや
- 歌の意味
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里の人々も語り継ぐように、ええ、ままよ、恋に焦がれて死んでしまおう。そうなって立つのは誰の名だというのか、ほかならぬあなたの名なのだ。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2873
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
恋のために死んで里人の語りぐさになろう、そうなれば浮き名が立つのはあなたの方だ、と恋人を責める歌である。死を賭した開き直りの中に、つれない相手への恨みが込められている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「里人も」は、村里の人々も、の意である。
二句「語り継ぐがね」の「がね」は、…するように、の意の終助詞で、後々まで語り継がれるように、と願う。
三句「よしゑやし」は、ええ、ままよ、と思い切る気持ちを表す感動詞である。
四句「恋ひても死なむ」は、恋い焦がれて死んでしまおう、の意である。
結句「誰が名ならめや」は反語で、立つのは誰の名だろうか、ほかでもないあなたの名だ、と相手を責める。本巻の第三千百五首の結句「誰が名ならむも」も同じ発想に立っている。
さとびと:村里の人
かたりつぐ:語り伝える
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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逢はなくも憂しと思へばいや増しに 人言繁く聞こえ来るかも
- 次の歌
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確かなる使をなみと心をぞ 使に遣りし夢に見えきや