立ちて居てすべのたどきも今はなし
妹に逢はずて月の経ぬれば
- 歌の意味
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立っても座っても、どうしたらよいかの手立ても今はない。あの子に逢わないまま月日が過ぎてしまったので。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2881
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
逢えないまま月日が過ぎ、立っても座っても落ち着かず途方に暮れる心を歌う。或本では下二句を「君が目見ずて月の経ぬれば」とし、女の立場の歌となっている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「立ちて居て」は、立っても座っても、の意で、落ち着かない様子を表す。本巻の第二千八百八十七首も同じ初句で歌い出している。
二句「すべのたどきも」は、どうすればよいかの手がかりも、の意である。本巻の第二千八百九十二首も「すべのたどきも我れはなし」と同じ表現を用いる。
三句「今はなし」は、今はもうない、の意で、ここで三句切れとなる。
四句「妹に逢はずて」は、あの子に逢わないで、の意である。
結句「月の経ぬれば」は、月日が過ぎてしまったので、の意である。
たどき:手がかり、手段
すべ:方法、手段
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うつつにも今も見てしか夢のみに 手本まき寝と見るは苦しも
- 次の歌
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逢はずして恋ひわたるとも忘れめや いや日に異には思ひ増すとも