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外目にも君が姿を見てばこそ
我が恋やまめ命死なずは

歌の意味
よそながらでもあなたの姿を見たならば、私の恋もおさまるだろう。それまで命が尽きずにいたならば。
鑑賞
巻第十二 正述心緒 2883

詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
 遠目にでも相手の姿を見られれば恋もおさまるだろうが、それまで命がもつかどうかと案じる歌である。一云では下二句を「命に向ふ我が恋やまめ」とし、命がけの恋という表現になっている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「外目にも」は、よそながらにでも、遠くからでも、の意である。
 二句「君が姿を」は、あなたの姿を、の意である。
 三句「見てばこそ」は、見たならばこそ、の意で、四句の已然形「やまめ」と係り結びをなす。
 四句「我が恋やまめ」は、私の恋もおさまるだろう、の意である。一云の「命に向ふ我が恋やまめ」は、本巻の第二千九百七十九首の下二句と同じ表現である。
 結句「命死なずは」は、命が死なずにいたならば、の意で、それまで命がもつかという不安を添えている。

よそめ:よそながら見ること、遠目
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
逢はずして恋ひわたるとも忘れめや いや日に異には思ひ増すとも
次の歌
恋ひつつも今日はあらめど玉櫛笥 明けなむ明日をいかに暮らさむ