あかねさす日の暮れゆけばすべをなみ
千たび嘆きて恋ひつつぞ居る
- 歌の意味
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日が暮れていくと、どうしようもなくて、千回も嘆きながら恋しく思い続けていることだ。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2901
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
日が暮れていくと恋しさに耐えられず、千回も嘆きながら恋い続けていると歌う。夕暮れは恋人の訪れを待つ時刻でもあり、その時刻に募る思いが述べられている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「あかねさす」は、茜色に照り映える意で、「日」にかかる枕詞である。
二句「日の暮れゆけば」は、日が暮れていくと、の意で、夕暮れが恋しさを募らせる時であることを示す。
三句「すべをなみ」は、どうしようもないので、の意で、「なみ」は「なし」のミ語法である。
四句「千たび嘆きて」は、千回も嘆いて、の意で、数を誇張して嘆きの多さを表す。
結句「恋ひつつぞ居る」の「ぞ」は係助詞で、連体形「居る」で結ぶ。本巻の第三千三十首も同じ結句で結ばれている。
あかねさす:「日」「昼」などにかかる枕詞
すべ:方法、手段
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我妹子が笑まひ眉引き面影に かかりてもとな思ほゆるかも
- 次の歌
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我が恋は夜昼わかず百重なす 心し思へばいたもすべなし