我が恋は夜昼わかず百重なす
心し思へばいたもすべなし
- 歌の意味
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私の恋は夜も昼も区別がない。幾重にも重なる心で思うので、まったくどうしようもない。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2902
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
夜も昼も区別なく、幾重にも重なる思いに心を占められ、どうしようもないと嘆く歌である。昼夜と百重という時間と量の誇張を重ねて、恋の果てしなさを表している。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「我が恋は」は、私の恋は、の意である。
二句「夜昼わかず」は、夜も昼も区別なく、の意で、絶え間ない恋をいう。ここで二句切れとなる。
三句「百重なす」は、幾重にも重なる、の意で、「心」を修飾する。本巻の第二千九百十首も「千重に百重に」と同じ語で思いの重なりを表している。
四句「心し思へば」の「し」は強意の副助詞で、その心で思うので、の意である。
結句「いたもすべなし」は、まったくどうしようもない、の意で、「いた」ははなはだ、の意を表す。
ももへ:幾重にも重なること
わく:区別する
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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あかねさす日の暮れゆけばすべをなみ 千たび嘆きて恋ひつつぞ居る
- 次の歌
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いとのきて薄き眉根をいたづらに 掻かしめつつも逢はぬ人かも