恋ひ恋ひて後も逢はむと慰もる
心しなくは生きてあらめやも
- 歌の意味
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恋い焦がれた末に、後には逢おうと自らを慰める心がなかったならば、生きていられようか。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2904
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
恋い焦がれる苦しさの中で、いつか逢えるという慰めがなければ生きてはいられないと歌う。再会への望みが命を支えているという点で、恋の苦しさと希望とを同時に示している。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「恋ひ恋ひて」は、恋い焦がれて、の意で、繰り返しが思いの深さを表す。
二句「後も逢はむと」は、後には逢おうと、の意で、本巻の第二千八百六十八首と同じく再会の望みを生きる支えとしている。
三句「慰もる」は、自らの心を慰める、の意である。
四句「心しなくは」は、心がなかったならば、の意で、「し」は強意を表す。
結句「生きてあらめやも」は反語で、生きていられようか、いや生きていられない、の意である。
なぐさもる:心を慰める
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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いとのきて薄き眉根をいたづらに 掻かしめつつも逢はぬ人かも
- 次の歌
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いくばくも生けらじ命を恋ひつつぞ 我れは息づく人に知らえず