人目多み目こそ忍ぶれすくなくも
心のうちに我が思はなくに
- 歌の意味
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人目が多いので、目でこそ人目を避けているが、心の中では少しばかり思っているわけではないのに。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2911
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
人目が多いので目では知らぬふりをしているが、心の中では深く思っているのだと、相手に真意を伝えようとする歌である。前歌の「人目を多み」を受け、表向きの素っ気なさと内心とを対比している。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「人目多み」は、人目が多いので、の意で、前歌の「人目を多み」を受けている。
二句「目こそ忍ぶれ」の「こそ」は係助詞で、已然形「忍ぶれ」で結び、目でこそ人目を忍んでいるが、と逆接で続く。
三句「すくなくも」は、少しばかり、の意で、打消と呼応する。
四句「心のうちに」は、心の中では、の意である。
結句「我が思はなくに」は、私は思っていないわけではないのに、の意で、表向きの素っ気なさと内心の深い思いとを対比している。
しのぶ:人目を避ける、こらえる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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心には千重に百重に思へれど 人目を多み妹に逢はぬかも
- 次の歌
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人の見て言とがめせぬ夢に我れ 今夜至らむ宿閉すなゆめ