玉かつま逢はむと言ふは誰れなるか
逢へる時さへ面隠しする
- 歌の意味
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逢おうと言ったのはいったい誰だったのか。逢っている時でさえ顔を隠したりして。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2916
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
逢おうと言ってきたのは相手の方なのに、いざ逢うと恥じらって顔を隠す恋人を、からかうように責める歌である。恥じらう相手へのいとしさが、軽い詰問の形で表されている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「玉かつま」は、竹などで編んだ籠をいい、蓋と身が合うことから「逢ふ」にかかる枕詞である。本巻の第三千百五十二首第三千百九十三首にも同じ枕詞が見える。
二句「逢はむと言ふは」は、逢おうと言うのは、の意である。
三句「誰れなるか」は、誰なのか、の意で、ここで三句切れとなる。
四句「逢へる時さへ」は、逢っている時でさえ、の意である。
結句「面隠しする」は、恥じらって顔を隠す、の意で、逢おうと言いながら恥じらう相手をからかい気味に責めている。
かつま:竹などで編んだ目の細かい籠
おもかくし:恥じらって顔を隠すこと
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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妹と言はばなめし畏ししかすがに 懸けまく欲しき言にあるかも
- 次の歌
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うつつにか妹が来ませる夢にかも 我れか惑へる恋の繁きに