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たわや女は同じ心にしましくも
やむ時もなく見てむとぞ思ふ

歌の意味
か弱い女である私は、あなたと同じ心で、しばらくの間も絶えることなく、あなたを見ていたいと思う。
鑑賞
巻第十二 正述心緒 2921

詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
 か弱い女の身ながら、相手と同じ心で絶え間なく逢っていたいと願う女の歌である。「同じ心に」という語に、相手の思いと一体でありたいという願いが込められている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「たわや女は」は、しなやかでか弱い女は、の意で、作者自身を指す。
 二句「同じ心に」は、あなたと同じ心で、の意で、仮名の行では「おやじこころに」と読む。
 三句「しましくも」は、しばらくの間も、の意である。
 四句「やむ時もなく」は、絶える時もなく、の意である。
 結句「見てむとぞ思ふ」の「ぞ」は係助詞で、連体形「思ふ」で結び、いつまでも逢っていたいという願いを強めている。

たわやめ:しなやかでか弱い女
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
終へむ命ここは思はずただしくも 妹に逢はざることをしぞ思ふ
次の歌
夕さらば君に逢はむと思へこそ 日の暮るらくも嬉しくありけれ