みどり子のためこそ乳母は求むと言へ
乳飲めや君が乳母求むらむ
- 歌の意味
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乳飲み子のためにこそ乳母は求めるものだというのに、あなたは乳でも飲むというのか、乳母を求めているらしいのは。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2925
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
年上の女性を求める男を、乳母を求める乳飲み子にたとえてからかう戯れの歌である。次歌はこれに応じた歌とみられ、二首でひと組のやりとりをなしている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「みどり子の」は、乳飲み子、赤ん坊の、の意である。本巻の第二千九百四十二首にも「みどり子の夜泣きをしつつ」とこの語が見える。
二句「ためこそ乳母は」の「乳母」は「おも」と読み、乳を与えて子を育てる女をいう。
三句「求むと言へ」の「言へ」は二句の「こそ」を受けた已然形で、言うけれども、と逆接で続く。
四句「乳飲めや君が」は、あなたは乳を飲むとでもいうのか、という反語的な問いかけである。
結句「乳母求むらむ」は、乳母を求めているのだろう、の意で、年上の女性を求める男をからかっている。
みどりご:乳飲み子、赤ん坊
おも:乳母
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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世の中に恋繁けむと思はねば 君が手本をまかぬ夜もありき
- 次の歌
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悔しくも老いにけるかも我が背子が 求むる乳母に行かましものを