うらぶれて離れにし袖をまたまかば
過ぎにし恋い乱れ来むかも
- 歌の意味
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しょんぼりと離れてしまった人の袖を、また枕にして寝たならば、過ぎ去った恋が、また乱れて戻ってくるだろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2927
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
別れてしまった人ともう一度共寝をしたならば、過ぎ去った恋がまた心を乱すだろうかと、よりを戻すことにためらう心を歌う。終わったはずの恋が再び燃え上がることへの恐れと期待とが入り交じっている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「うらぶれて」は、心がしおれて、悲しみに沈んで、の意である。
二句「離れにし袖を」は、離れてしまった人の袖を、の意で、別れた恋人をいう。
三句「またまかば」は、また枕にして共寝したならば、の意である。
四句「過ぎにし恋い」の「い」は強意の助詞で、過ぎ去った恋が、の意である。
結句「乱れ来むかも」は、乱れてまたやって来るだろうか、の意で、よりを戻すことへのためらいを示している。
うらぶる:心がしおれる、わびしく思う
かる:離れる、疎遠になる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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悔しくも老いにけるかも我が背子が 求むる乳母に行かましものを
- 次の歌
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おのがじし人死にすらし妹に恋ひ 日に異に痩せぬ人に知らえず