思ひつつ居れば苦しもぬばたまの
夜に至らば我れこそ行かめ
- 歌の意味
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思い続けてじっとしていると苦しい。夜になったならば、私の方から行こう。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2931
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
じっと待って思い続けるのは苦しいので、夜になったら自分の方から行こうと決意する女の歌である。男が通うのが通例であった当時、女の側から訪ねようという大胆な心が表れている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「思ひつつ」は、思い続けて、の意である。
二句「居れば苦しも」は、じっとしていると苦しい、の意で、ここで二句切れとなる。
三句「ぬばたまの」は、「夜」にかかる枕詞である。
四句「夜に至らば」は、夜になったならば、の意である。
結句「我れこそ行かめ」の「こそ」は係助詞で、已然形「め」で結び、私の方から行こう、と強い決意を示している。
ぬばたま:ヒオウギの黒い実、「夜」「黒」などにかかる枕詞
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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生ける世に恋といふものを相見ねば 恋のうちにも我れぞ苦しき
- 次の歌
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心には燃えて思へどうつせみの 人目を繁み妹に逢はぬかも