- 歌の意味
- 白い袖を折り返して寝て恋しく思うからだろうか、あの子の姿が夢に見えるのは。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2937
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
袖を折り返して寝ると恋人を夢に見るという俗信を踏まえ、恋人が夢に現れたのはそのためだろうかと推し量る歌である。夢の逢瀬を自らのまじないの効き目と受け取る心がうかがわれる。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「白栲の」は、「袖」にかかる枕詞である。
二句「袖折り返し」は、袖を折り返して寝ることで、恋人を夢に見るためのまじないとされる。
三句「恋ふればか」は、恋しく思うからだろうか、の意で、「か」は疑問を表し、結句の連体形「見ゆる」で結ぶ。
四句「妹が姿の」は、あの子の姿が、の意である。
結句「夢にし見ゆる」は、夢に見える、の意で、「し」は強意を表す。
をりかへす:折り返す
- 作者
- 作者未詳
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 今は我は死なむよ我が背恋すれば 一夜一日も安けくもなし
- 次の歌
- 人言を繁み言痛み我が背子を 目には見れども逢ふよしもなし