我が背子に恋ふとにしあらしみどり子の
夜泣きをしつつ寐ねかてなくは
- 歌の意味
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愛しいあの人に恋い焦がれているからに違いない。乳飲み子のように夜泣きをしながら、寝つけずにいるのは。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2942
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
夜泣きする赤ん坊のように泣きながら眠れないのは、恋人を恋い焦がれているからに違いないと、自らの姿を省みる女の歌である。自分を乳飲み子にたとえた比喩に、どうにもならない心の幼さと切なさが表れている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「我が背子に」は、愛しいあの人に、の意で、女の立場の歌である。
二句「恋ふとにしあらし」は、恋い焦がれているからに違いない、の意で、ここで二句切れとなる。
三句「みどり子の」は、乳飲み子のように、の意で、本巻の第二千九百二十五首にも見える語である。
四句「夜泣きをしつつ」は、夜泣きをしながら、の意で、自分を夜泣きする赤ん坊にたとえている。
結句「寐ねかてなくは」は、寝つけないでいるのは、の意で、二句との倒置によって理由を示している。
よなき:夜泣き
いぬ:眠る、寝入る
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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思ひ遣るたどきも我れは今はなし 妹に逢はずて年の経ぬれば
- 次の歌
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我が命の長く欲しけく偽りを よくする人を捕ふばかりを