古典和歌stream

玉桙の道に行き逢ひて外目にも
見ればよき子をいつとか待たむ

歌の意味
道で行き会って、遠目に見ても美しいあの娘を、いつと思って待てばよいのだろうか。
鑑賞
巻第十二 正述心緒 2946

詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
 道で行き会った美しい娘に心ひかれ、いつになったら結ばれるのかと待ちわびる歌である。偶然の出会いから始まった恋の行方を案じる心が述べられている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「玉桙の」は、「道」にかかる枕詞である。
 二句「道に行き逢ひて」は、道で行き会って、の意である。
 三句「外目にも」は、遠目に見ても、よそながらにも、の意で、本巻の第二千八百八十三首と同じ語である。
 四句「見ればよき子を」は、見て美しい娘を、の意である。
 結句「いつとか待たむ」は、いつと思って待てばよいだろうか、の意で、偶然の出会いから始まった恋の行方を案じている。

たまほこ:「道」にかかる枕詞
ゆきあふ:行き会う、出会う
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
玉梓の君が使を待ちし夜の なごりぞ今も寐ねぬ夜の多き
次の歌
思ひにしあまりにしかばすべをなみ 我れは言ひてき忌むべきものを