明日の日はその門行かむ出でて見よ
恋ひたる姿あまたしるけむ
- 歌の意味
-
明日はあなたの家の門の前を通ろう。出てきて見てごらん。恋にやつれた姿がはっきりとわかるだろう。
- 鑑賞
-
巻第十二 正述心緒 2948
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
明日あなたの家の門の前を通るから出てきて見てほしい、恋にやつれた姿がよくわかるだろうと呼びかける歌である。言葉ではなく姿で恋の苦しさを訴えようとする発想が特色である。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「明日の日は」は、明日は、の意である。
二句「その門行かむ」は、あなたの家の門の前を通ろう、の意で、ここで二句切れとなる。
三句「出でて見よ」は、出てきて見てごらん、と相手に呼びかける命令である。
四句「恋ひたる姿」は、恋にやつれた姿、の意である。
結句「あまたしるけむ」は、はっきりとわかるだろう、の意で、恋の苦しさを姿で示そうとしている。
かど:門、家の入口
- 作者
-
作者未詳
- 出典
-
万葉集
- 前の歌
-
思ひにしあまりにしかばすべをなみ 我れは言ひてき忌むべきものを
- 次の歌
-
うたて異に心いぶせし事計り よくせ我が背子逢へる時だに