- 歌の意味
- 夢かと思って心が惑ってしまった。何か月も遠ざかっていたあなたからの便りが届いたので。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2955
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
何か月も遠ざかっていた男から思いがけず便りが届き、夢ではないかと心が惑う女の歌である。待ち続けた便りへの驚きと喜びが、心の惑いとして表されている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「夢かと」は、夢かと思って、の意で、四音の字足らずである。
二句「心惑ひぬ」は、心が惑ってしまった、の意で、ここで二句切れとなる。
三句「月まねく」は、何か月も、の意である。
四句「離れにし君が」は、遠ざかっていたあなたの、の意である。
結句「言の通へば」は、便りが届いたので、の意で、思いがけない便りへの驚きと喜びを示している。
かる:離れる、疎遠になる
かよふ:行き来する、届く
- 作者
- 作者未詳
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 今よりは逢はじとすれや白栲の 我が衣手の干る時もなき
- 次の歌
- あらたまの年月かねてぬばたまの 夢に見えけり君が姿は