今よりは恋ふとも妹に逢はめやも
床の辺去らず夢に見えこそ
- 歌の意味
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これからは恋しく思っても、あの子に逢えるだろうか、いや逢えはしない。せめて寝床のそばを離れず、夢に見えてほしい。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2957
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
これからはもう現実には逢えないだろうと悟り、せめて寝床のそばを離れず夢に現れてほしいと願う歌である。現実の逢瀬をあきらめた心が、夢への願いに託されている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「今よりは」は、これからは、の意で、本巻の第二千九百五十四首と同じ初句である。
二句「恋ふとも妹に」は、恋しく思ってもあの子に、の意である。
三句「逢はめやも」は反語で、逢えるだろうか、いや逢えない、の意となる。ここで三句切れとなる。
四句「床の辺去らず」は、寝床のそばを離れずに、の意である。
結句「夢に見えこそ」は、夢に見えてほしい、の意で、本巻の第二千八百四十二首と同じ結句である。
とこ:寝床
さる:離れる、去る
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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あらたまの年月かねてぬばたまの 夢に見えけり君が姿は
- 次の歌
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人の見て言とがめせぬ夢にだに やまず見えこそ我が恋やまむ