白栲の袖離れて寝るぬばたまの
今夜は早も明けば明けなむ
- 歌の意味
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恋人の袖から離れてひとりで寝る今夜は、早く明けるのならば明けてしまえばよい。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2962
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
恋人と離れてひとりで寝る夜は長くつらいので、早く明けてしまえと歌う。共寝の夜の明けるのを惜しむ歌とは反対に、ひとり寝の夜の早い明けを望む点に、寂しさの深さが表れている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「白栲の」は、「袖」にかかる枕詞である。
二句「袖離れて寝る」は、恋人の袖から離れてひとりで寝る、の意である。
三句「ぬばたまの」は、「今夜」にかかる枕詞である。
四句「今夜は早も」は、今夜は早くも、の意である。
結句「明けば明けなむ」は、明けるのならば明けてしまえ、の意である。本巻の第二千八百五十九首が夜の明けないことを願ったのとは反対に、ひとり寝の夜の早い明けを望んでいる。
かる:離れる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うつせみの常のことばと思へども 継ぎてし聞けば心惑ひぬ
- 次の歌
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白栲の手本ゆたけく人の寝る 味寐は寝ずや恋ひわたりなむ