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真玉つくをちこち兼ねて結びつる
我が下紐の解くる日あらめや

歌の意味
将来のことも今のことも合わせて思って結んだ私の下紐が、ほどける日などあるだろうか。
鑑賞
巻第十二 寄物陳思 2973

詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
 今も将来もかけて結んだ下紐が解ける日などない、と他の人に心を許さない誓いを述べる歌である。後朝の別れに際して交わした誓いとみられる。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「真玉つく」は、「をち」にかかる枕詞で、本巻の第二千八百五十三首と同じ初句である。
 二句「をちこち兼ねて」は、将来のことも今のことも合わせて、の意である。
 三句「結びつる」は、結んだ、の意である。
 四句「我が下紐の」は、私の下紐が、の意である。
 結句「解くる日あらめや」は反語で、ほどける日などあろうか、いやない、の意で、ほかの人に心を許さない誓いを示している。

をちこち:将来と現在
したびも:下着の紐
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
赤絹の純裏の衣長く欲り 我が思ふ君が見えぬころかも
次の歌
紫の帯の結びも解きもみず もとなや妹に恋ひわたりなむ