娘子らが績み麻のたたり打ち麻懸け
うむ時なしに恋ひわたるかも
- 歌の意味
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娘たちが麻を紡ぐ道具のたたりに打った麻を懸けて績むように、倦むときもなく恋い続けることだ。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 2990
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
娘たちが麻を紡ぐ日常の作業を序として、飽きることなく恋い続ける心を歌う。麻を「績む」と飽きる意の「倦む」とを掛けた言葉の技巧が見どころである。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「娘子らが」は、娘たちが、の意である。
二句「績み麻のたたり」の「たたり」は、麻糸を紡ぐときに用いる台のついた道具である。
三句「打ち麻懸け」は、打って柔らかくした麻を懸けて、の意で、ここまでが「うむ」を導く序詞となる。
四句「うむ時なしに」の「うむ」は、麻を績む意と、飽きて嫌になる意の「倦む」とを掛けている。
結句「恋ひわたるかも」は、恋い続けることだ、の意で、飽きることのない恋をいう。
たたり:麻糸を紡ぐ時に用いる台のついた道具
うちそ:打って柔らかくした麻
うむ:麻を紡ぐ「績む」の意と、飽きる「倦む」の意を掛ける
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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今さらに何をか思はむ梓弓 引きみ緩へみ寄りにしものを
- 次の歌
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たらちねの母が飼ふ蚕の繭隠り いぶせくもあるか妹に逢はずして