玉葛懸けぬ時なく恋ふれども
何しか妹に逢ふ時もなき
- 歌の意味
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心にかけない時もなく恋しく思っているのに、どうしてあの子に逢う時もないのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 2994
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
いつも心にかけて恋しく思っているのに、なぜ逢う時がないのかと嘆く歌である。思いの絶え間なさと、逢う時のなさとが対比されている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「玉葛」は、蔓草の美称で、蔓を物に懸けることから「懸く」にかかる枕詞である。
二句「懸けぬ時なく」は、心にかけない時もなく、の意である。
三句「恋ふれども」は、恋しく思っているけれども、の意である。
四句「何しか妹に」の「何しか」は、どうして、の意で、結句の連体形「なき」と呼応する。
結句「逢ふ時もなき」は、逢う時もないのだろう、の意である。
たまかづら:蔓草の美称、「懸く」「絶ゆ」などにかかる枕詞
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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紫のまだらのかづら花やかに 今日見し人に後恋ひむかも
- 次の歌
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逢ふよしの出でくるまでは畳薦 隔て編む数夢にし見えむ