古典和歌stream

逢ふよしの出でくるまでは畳薦
隔て編む数夢にし見えむ

歌の意味
逢う手立てが出てくるまでは、敷物にする薦を編む目の数ほど、何度も夢に見えよう。
鑑賞
巻第十二 寄物陳思 2995

詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
 逢う手立てが見つかるまでは、薦を編む目の数ほど何度も夢に現れようと、相手に約束する歌である。編み目の数という生活に根ざした比喩で、夢の訪れの多さを表している。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「逢ふよしの」は、逢う手立てが、の意である。
 二句「出でくるまでは」は、出てくるまでは、の意である。
 三句「畳薦」は、敷物にする薦で、ここでは編み目の多さをたとえに用いている。
 四句「隔て編む数」は、目を隔てて編む数ほど、の意である。
 結句「夢にし見えむ」は、夢に見えよう、の意で、数多く夢に現れようと相手に約束している。

たたみこも:敷物にする薦、「隔て」などにかかる枕詞
あむ:編む
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
玉葛懸けぬ時なく恋ふれども 何しか妹に逢ふ時もなき
次の歌
しらかつく木綿は花もの言こそば いつのまえだも常忘らえね