十五日に出でにし月の高々に
君をいませて何をか思はむ
- 歌の意味
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十五夜に昇った月が空高くかかるように、背伸びして待ちわびていたあなたにおいでいただいたので、何を思い悩むことがあろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3005
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
十五夜の月が高く昇るように、背伸びして待ちわびていた相手が訪れてくれたので、もう思い悩むことはないと喜ぶ歌である。満月の明るい情景が、満ち足りた心を映し出している。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「十五日に」は、満月の夜に、の意で、仮名の行では「もちのひに」と読む。
二句「出でにし月の」は、昇った月が、の意で、ここまでが空高くかかる月から「高々に」を導く序詞となる。
三句「高々に」は、背伸びするように待ちわびて、の意である。本巻の第二千九百九十七首にも同じ語が見える。
四句「君をいませて」は、あなたにおいでいただいて、の意である。
結句「何をか思はむ」は、何を思い悩むことがあろうか、の意で、本巻の第二千九百八十九首の二句と同じ表現である。
もち:満月、陰暦十五日
います:おいでになる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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久方の天つみ空に照る月の 失せなむ日こそ我が恋止まめ
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月夜よみ門に出で立ち足占して 行く時さへや妹に逢はずあらむ