ぬばたまの夜渡る月のさやけくは
よく見てましを君が姿を
- 歌の意味
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夜空を渡る月が明るく澄んでいたならば、よく見ておいたのに、あなたの姿を。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3007
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
月が明るければ帰っていく男の姿をよく見ておけたのに、と後朝の別れを悔やむ女の歌である。巻頭の第二千八百四十一首と同じく、別れゆく男の姿をよく見られなかった悔いを歌っている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「ぬばたまの」は、「夜」にかかる枕詞である。
二句「夜渡る月の」は、夜空を渡っていく月が、の意である。
三句「さやけくは」は、明るく澄んでいたならば、の意で、四句の「まし」と呼応する反実仮想の条件である。
四句「よく見てましを」は、よく見ておいたのに、の意である。巻頭の第二千八百四十一首の「よく見ずて」と同じ語を用い、見られなかった悔いを歌っている。
結句「君が姿を」は、あなたの姿を、の意で、四句と倒置の関係にある。
よわたる:夜空を渡っていく
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
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月夜よみ門に出で立ち足占して 行く時さへや妹に逢はずあらむ
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あしひきの山を木高み夕月を いつかと君を待つが苦しさ