との曇り雨布留川のさざれ波
間なくも君は思ほゆるかも
- 歌の意味
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空一面に曇って雨が降る、その布留川のさざ波のように、絶え間なくあなたのことが思われることだ。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3012
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
雨の降る布留川に立つさざ波を序として、絶え間なく恋人を思う心を歌う。雨が「降る」と地名の「布留」とを掛けた技巧が見られる。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「との曇り」は、空一面に曇って、の意である。
二句「雨布留川の」は、雨が「降る」と地名の「布留」とを掛け、布留川へと続けている。
三句「さざれ波」は、細かく立つ波で、ここまでが「間なく」を導く序詞となる。
四句「間なくも君は」は、絶え間なくあなたは、の意である。
結句「思ほゆるかも」は、自然と思われることだ、の意である。次歌の第三千十三首も布留川を詠み込み、二首が並べられている。
とのぐもる:空一面に曇る
さざれなみ:細かく立つ波
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我妹子に衣春日の宜寸川 よしもあらぬか妹が目を見む
- 次の歌
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我妹子や我を忘らすな石上 袖布留川の絶えむと思へや