我妹子や我を忘らすな石上
袖布留川の絶えむと思へや
- 歌の意味
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いとしい妻よ、私を忘れないでおくれ。石上の、袖を振るという布留川の流れが絶えないように、私の思いが絶えるなどと思うだろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3013
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
恋人に自分を忘れないでほしいと呼びかけ、布留川の流れが絶えないように二人の仲も絶えることはないと誓う歌である。前歌に続いて布留川を詠み込み、袖を「振る」と「布留」を掛けている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「我妹子や」は、いとしい妻よ、と呼びかける語である。
二句「我を忘らすな」は、私を忘れないでおくれ、の意で、ここで二句切れとなる。
三句「石上」は、「布留」にかかる枕詞である。本巻の第二千九百九十七首も同じ枕詞を用いている。
四句「袖布留川の」は、袖を「振る」と地名の「布留」とを掛け、前歌に続いて布留川を詠み込んでいる。
結句「絶えむと思へや」は反語で、絶えようと思うだろうか、いや思わない、の意である。
わすらす:お忘れになる、「忘る」の尊敬語
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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との曇り雨布留川のさざれ波 間なくも君は思ほゆるかも
- 次の歌
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三輪山の山下響み行く水の 水脈し絶えずは後も我が妻