あしひきの山川水の音に出でず
人の子ゆゑに恋ひわたるかも
- 歌の意味
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山の川の水が音を立てるようには声に出して言うこともなく、よその家の娘のために恋い続けていることだ。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3017
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
山の川の水音を序として、声に出さずに他家の娘を恋い続ける忍ぶ恋を歌う。前歌の「人知りにける」とは反対に、人に知られぬよう秘めた恋が描かれている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。
二句「山川水の」は、山の川の水の、の意で、ここまでが水音から「音」を導く序詞となる。
三句「音に出でず」は、声に出して言うこともなく、の意である。
四句「人の子ゆゑに」は、他人の家の娘のために、の意である。
結句「恋ひわたるかも」は、恋い続けることだ、の意である。
やまがは:山の中を流れる川
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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山川の瀧にまされる恋すとぞ 人知りにける間なくし思へば
- 次の歌
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高湍なる能登瀬の川の後も逢はむ 妹には我れは今にあらずとも