- 歌の意味
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洗った衣を取り替えるという取替川の川の淀みのように、ためらって通いを滞らせる心など、とても思いも寄らないことだ。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3019
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
取替川の淀みを序として、ためらって通いを滞らせるような心はとても持てないと、変わらぬ思いを誓う歌である。「淀む」を通いの滞りにたとえる表現は本巻に繰り返し見られる。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「洗ひ衣」は、洗った衣で、衣を取り替えることから「取替川」にかかる枕詞である。
二句「取替川の」は、取替川の、の意で、所在には諸説がある。
三句「川淀の」は、川の流れが淀んでいる所の、の意で、ここまでが「淀む」を導く序詞となる。
四句「淀まむ心」は、ためらって通いを滞らせる心、の意で、本巻の第二千九百八十八首第二千九百九十八首と同じく「淀む」で通いの滞りを表している。
結句「思ひかねつも」は、とても思い及ばないことだ、の意で、心変わりなどしないと誓っている。
かはよど:川の流れが淀んでいる所
よどむ:滞る、ためらう
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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高湍なる能登瀬の川の後も逢はむ 妹には我れは今にあらずとも
- 次の歌
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斑鳩の因可の池のよろしくも 君を言はねば思ひぞ我がする