妹が目を見まく堀江のさざれ波
しきて恋ひつつありと告げこそ
- 歌の意味
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あの子に逢いたいと思う、その「欲り」という名の堀江に寄せるさざ波のように、しきりに恋い続けていると、あの子に告げてほしい。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3024
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
逢いたいと願う「欲り」と難波の堀江とを掛け、さざ波のようにしきりに恋い続けていると恋人に伝えてほしいと頼む歌である。地名に掛けた言葉の技巧が見どころである。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「妹が目を」は、あの子の目を、の意で、「目を見る」は逢うことをいう。
二句「見まく堀江の」は、見たいと「欲り」すると地名の「堀江」とを掛けている。堀江は難波の堀江をいう。
三句「さざれ波」は、細かく寄せる波で、ここまでが「しきて」を導く序詞となる。
四句「しきて恋ひつつ」は、しきりに恋い続けて、の意である。
結句「ありと告げこそ」は、いると告げてほしい、の意で、「こそ」は願望を表す。
ほりえ:難波の堀江
しく:しきりに繰り返す
つぐ:告げる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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隠り沼の下ゆ恋ひあまり白波の いちしろく出でぬ人の知るべく
- 次の歌
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石走る垂水の水のはしきやし 君に恋ふらく我が心から