石走る垂水の水のはしきやし
君に恋ふらく我が心から
- 歌の意味
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岩の上をほとばしる滝の水のように、いとしいあなたに恋い焦がれるのは、私自身の心からなのだ。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3025
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
いとしい人に恋い焦がれるのは、誰のせいでもなく自分自身の心からだと認める歌である。ほとばしる滝の水の勢いが、抑えきれない恋心を印象づけている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「石走る」は、岩の上をほとばしる、の意で、「垂水」にかかる枕詞である。
二句「垂水の水の」は、滝の水の、の意で、ここまでが「はし」の音から「はしきやし」を導く序詞となる。
三句「はしきやし」は、いとしい、の意である。
四句「君に恋ふらく」は、あなたに恋い焦がれることは、の意で、「恋ふらく」は「恋ふ」のク語法である。
結句「我が心から」は、私自身の心からなのだ、の意で、誰のせいでもない自らの恋であると認めている。
いはばしる:岩の上をほとばしる、「垂水」などにかかる枕詞
たるみ:滝
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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妹が目を見まく堀江のさざれ波 しきて恋ひつつありと告げこそ
- 次の歌
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君は来ず我れは故なみ立つ波の しくしくわびしかくて来じとや