- 歌の意味
- 大海の底のように深く心をこめて契りを結んだあの子の心は、疑う余地もない。
- 鑑賞
-
巻第十二 寄物陳思 3028
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
大海の底のように深く心をこめて結んだ契りを思い、恋人の心を疑う余地はないと信頼を述べる歌である。疑いや不安を歌う歌の多いなかで、確かな信頼を示している。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「大海の」は、大きな海の、の意である。
二句「底を深めて」は、底のように深く心をこめて、の意である。
三句「結びてし」は、契りを結んだ、の意である。
四句「妹が心は」は、あの子の心は、の意である。
結句「うたがひもなし」は、疑う余地もない、の意で、深い契りへの信頼を示している。
むすぶ:契りを結ぶ
- 作者
- 作者未詳
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 近江の海辺は人知る沖つ波 君をおきては知る人もなし
- 次の歌
- 佐太の浦に寄する白波間なく 思ふを何か妹に逢ひかたき