思ひ出でてすべなき時は天雲の
奥処も知らず恋ひつつぞ居る
- 歌の意味
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思い出してどうしようもない時は、空の雲の果てがわからないように、果てしなく恋い続けている。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3030
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
思い出してどうしようもない時は、空の雲の果てがわからないように果てしなく恋い続けていると歌う。広大な空の雲の比喩が、恋の思いの果てしなさを表している。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「思ひ出でて」は、思い出して、の意で、六音の字余りである。
二句「すべなき時は」は、どうしようもない時は、の意である。
三句「天雲の」は、空の雲の、の意で、果てしない広がりから「奥処も知らず」を導いている。
四句「奥処も知らず」は、果てもわからず、の意である。
結句「恋ひつつぞ居る」は、恋い続けている、の意で、本巻の第二千九百一首と同じ結句である。
おくか:奥深い所、果て
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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佐太の浦に寄する白波間なく 思ふを何か妹に逢ひかたき
- 次の歌
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天雲のたゆたひやすき心あらば 我れをな頼めそ待たば苦しも