天雲のたゆたひやすき心あらば
我れをな頼めそ待たば苦しも
- 歌の意味
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空の雲のように揺れ動きやすい心があるのなら、私に期待を持たせないでほしい。待つのは苦しいから。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3031
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
雲のように揺れ動く心があるのなら、期待を持たせないでほしい、待つのは苦しいからと、相手の誠意を確かめる歌である。前歌に続いて雲を詠み込み、移ろいやすい心を雲にたとえている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「天雲の」は、空の雲のように、の意で、前歌に続いて雲を詠み込んでいる。
二句「たゆたひやすき」は、揺れ動きやすい、の意である。
三句「心あらば」は、心があるのならば、の意である。
四句「我れをな頼めそ」は、私に期待を持たせないでほしい、の意で、「な…そ」は禁止を表す。
結句「待たば苦しも」は、待つのは苦しいから、の意である。本巻の第三千七十九首も同じ結句で結ばれている。
たゆたふ:揺れ動く、ためらう
たのむ:期待を持たせる、あてにさせる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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思ひ出でてすべなき時は天雲の 奥処も知らず恋ひつつぞ居る
- 次の歌
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君があたり見つつも居らむ生駒山 雲なたなびき雨は降るとも