古典和歌stream

夕置きて朝は消ぬる白露の
消ぬべき恋も我れはするかも

歌の意味
夕方に置いて朝には消えてしまう白露のように、身も消えてしまいそうな恋を、私はしていることだ。
鑑賞
巻第十二 寄物陳思 3039

詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
 夕方に置いて朝に消える白露のように、身も消え入りそうな恋をしていると歌う。前歌で露になりたいと願ったのに続き、露のように消え入りそうな恋の実感を述べている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「夕置きて」は、夕方に置いて、の意で、前歌の三句を受けている。
 二句「朝は消ぬる」は、朝には消えてしまう、の意で、前歌の四句と同じ句である。
 三句「白露の」は、白く光る露の、の意で、ここまでが「消ぬ」を導く序詞となる。
 四句「消ぬべき恋も」は、身も消えてしまいそうな恋を、の意である。
 結句「我れはするかも」は、私はしていることだ、の意である。

しらつゆ:白く光る露
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
かく恋ひむものと知りせば夕置きて 朝は消ぬる露ならましを
次の歌
後つひに妹は逢はむと朝露の 命は生けり恋は繁けど