朝霜の消ぬべくのみや時なしに
思ひわたらむ息の緒にして
- 歌の意味
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朝霜のように消えてしまいそうなばかりで、いつということもなく、命をかけて思い続けるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3045
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
朝霜のように消え入りそうな思いで、いつも命をかけて恋い続けるのだろうかと嘆く歌である。露に続いて霜を詠み込み、消えやすいものに自らの命を重ねている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「朝霜の」は、朝に置く霜のように、の意で、「消」にかかる枕詞である。
二句「消ぬべくのみや」は、消えてしまいそうにばかり、の意で、「や」は疑問を表し、四句の連体形「む」で結ぶ。
三句「時なしに」は、いつということもなく、絶えず、の意である。
四句「思ひわたらむ」は、思い続けるのだろうか、の意である。
結句「息の緒にして」は、命をかけて、の意で、「息の緒」は命を緒にたとえた語である。本巻の第三千百十五首第三千百九十四首にも同じ語が見える。
いきのを:命、命を緒にたとえた語
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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君待つと庭のみ居ればうち靡く 我が黒髪に霜ぞ置きにける
- 次の歌
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楽浪の波越すあざに降る小雨 間も置きて我が思はなくに