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暁の目覚まし草とこれをだに
見つついまして我れと偲はせ

歌の意味
明け方の目覚ましのよすがとして、せめてこれだけでも見ながら過ごして、私だと思って偲んでおくれ。
鑑賞
巻第十二 寄物陳思 3061

詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
 女が男に品物を贈り、明け方に目を覚ましたときのよすがとして、これを私だと思って偲んでほしいと頼む歌である。形見の品を託す女の心が表れている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「暁の」は、夜明け前の、の意である。
 二句「目覚まし草と」は、目を覚まさせるもの、心を慰めるよすがとして、の意である。
 三句「これをだに」は、せめてこれだけでも、の意で、女が男に贈った品を指す。
 四句「見つついまして」は、見ながらお過ごしになって、の意である。
 結句「我れと偲はせ」は、私だと思って偲んでおくれ、の意で、形見の品を託す女の心を示している。

めさましぐさ:目を覚まさせるもの、心のなぐさめとなるもの
しのふ:思い慕う
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
忘れ草我が紐に付く時となく 思ひわたれば生けりともなし
次の歌
忘れ草垣もしみみに植ゑたれど 醜の醜草なほ恋ひにけり