はねず色のうつろひやすき心あれば
年をぞ来経る言は絶えずて
- 歌の意味
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はねず色のように移ろいやすい心があなたにあるので、年月ばかりが過ぎていく。言葉だけは絶えないままで。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3074
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
はねず色のように移ろいやすい心をもつ相手のために、言葉だけは絶えないまま年月が過ぎていくと嘆く歌である。口先ばかりで逢おうとしない相手への恨みが込められている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「はねず色の」は、庭梅などの花の色とされる淡紅色で、色があせやすいことから「うつろふ」にかかる。六音の字余りである。
二句「うつろひやすき」は、移ろいやすい、の意で、本巻の第三千五十八首第三千五十九首の月草と同じく、色のあせることを心変わりにたとえている。
三句「心あれば」は、心があるので、の意で、相手の心をいう。
四句「年をぞ来経る」は、年月ばかりが過ぎていく、の意で、「ぞ」は連体形「来経る」で結ぶ。
結句「言は絶えずて」は、言葉だけは絶えないままで、の意で、口先ばかりで逢おうとしない相手への恨みを示している。
はねずいろ:庭梅などの花の色とされる淡紅色、色があせやすい
きふ:年月が過ぎていく
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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木綿包み白月山のさな葛 後もかならず逢はむとぞ思ふ
- 次の歌
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かくしてぞ人は死ぬといふ藤波の ただ一目のみ見し人ゆゑに