- 歌の意味
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波のままに一方へ靡く玉藻のように、片思いで私が思う人の、噂のうるさいことよ。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3078
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
波に一方へ靡く玉藻を序として、片思いの相手をめぐる噂のうるさいことを嘆く歌である。片思いでありながら噂ばかりが立つ皮肉な状況が描かれている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「波の共」は、波とともに、の意である。
二句「靡く玉藻の」は、靡く美しい藻のように、の意で、ここまでが一方に靡くことから「片思」を導く序詞となる。
三句「片思に」は、片思いで、の意で、仮名の行では「かたもひ」と読む。
四句「我が思ふ人の」は、私が思う人の、の意である。
結句「言の繁けく」は、噂のうるさいことよ、の意で、本巻の第二千八百七十六首の「恋の繁けく」と同じ形の詠嘆である。
たまも:藻の美称
かたもひ:片思い
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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みさご居る荒礒に生ふるなのりその よし名は告らじ親は知るとも
- 次の歌
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わたつみの沖つ玉藻の靡き寝む 早来ませ君待たば苦しも