わたつみの沖つ玉藻の靡き寝む
早来ませ君待たば苦しも
- 歌の意味
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海の沖の玉藻が靡くように、身を寄せ合って寝よう。早くおいでになって、あなた。待つのは苦しいから。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3079
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
沖の玉藻が靡くように身を寄せ合って寝ようと誘い、待つのは苦しいから早く来てほしいと求める女の歌である。前歌に続いて玉藻を詠み、恋人を待ちわびる思いを率直に述べている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「わたつみの」は、海の、の意で、もとは海の神をいう。
二句「沖つ玉藻の」は、沖の美しい藻のように、の意で、ここまでが「靡き」を導く序詞となる。前歌に続いて玉藻を詠み込んでいる。
三句「靡き寝む」は、身を寄せ合って寝よう、の意で、ここで三句切れとなる。
四句「早来ませ君」は、早くおいでください、あなた、の意で、ここで四句切れとなる。
結句「待たば苦しも」は、待つのは苦しいから、の意で、本巻の第三千三十一首と同じ結句である。
わたつみ:海、もと海の神
なびく:身を寄せる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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波の共靡く玉藻の片思に 我が思ふ人の言の繁けく
- 次の歌
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わたつみの沖に生ひたる縄海苔の 名はかつて告らじ恋ひは死ぬとも