わたつみの沖に生ひたる縄海苔の
名はかつて告らじ恋ひは死ぬとも
- 歌の意味
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海の沖に生えている縄海苔の名のように、名は決して告げまい。恋い焦がれて死ぬことになっても。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3080
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
沖に生える縄海苔を序として、恋い焦がれて死ぬことになっても名は決して告げまいと誓う歌である。本巻の第三千七十七首と同じく、名を明かさず恋を守る強い意志が述べられている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「わたつみの」は、海の、の意で、前歌と同じ初句である。
二句「沖に生ひたる」は、沖に生えている、の意である。
三句「縄海苔の」は、縄のように長い海藻で、ここまでが「な」の音から「名」を導く序詞となる。
四句「名はかつて告らじ」は、名は決して告げまい、の意で、八音の字余りである。本巻の第三千七十七首と同じく名を明かさない誓いである。
結句「恋ひは死ぬとも」は、恋い焦がれて死ぬことになっても、の意で、本巻の第二千九百三十九首と同じ結句である。
なはのり:縄のように長い海藻
のる:告げる、名を明かす
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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わたつみの沖つ玉藻の靡き寝む 早来ませ君待たば苦しも
- 次の歌
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玉の緒を片緒に縒りて緒を弱み 乱るる時に恋ひずあらめやも