朝影に我が身はなりぬ玉かぎる
ほのかに見えて去にし子ゆゑに
- 歌の意味
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朝の光に映る細い影のように、私の身はやせ細ってしまった。玉がほのかに光るように、ほのかに姿を見せて去っていったあの子のために。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3085
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
ほのかに姿を見せて去っていった娘のために、朝の光に映る細い影のようにやせ細ってしまったと歌う。巻第十一の第二千三百九十四首に、ほぼ同じ歌が柿本人麻呂歌集の歌として見える。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「朝影に」は、朝の光に映る細長い影のように、の意で、恋にやつれて痩せた姿をたとえる。
二句「我が身はなりぬ」は、私の身はなってしまった、の意で、ここで二句切れとなる。
三句「玉かぎる」は、玉がほのかに光る意で、「ほのか」にかかる枕詞である。
四句「ほのかに見えて」は、ほのかに姿を見せて、の意である。
結句「去にし子ゆゑに」は、去っていったあの子のために、の意で、二句との倒置によって理由を示している。
あさかげ:朝の光に映る細長い影
たまかぎる:玉がほのかに光る、「ほのか」などにかかる枕詞
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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海人娘子潜き採るといふ忘れ貝 世にも忘れじ妹が姿は
- 次の歌
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なかなかに人とあらずは桑子にも ならましものを玉の緒ばかり