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ま菅よし宗我の川原に鳴く千鳥
間なし我が背子我が恋ふらくは

歌の意味
宗我の川原で鳴く千鳥のように、絶え間がない、あなた、私が恋い慕うことは。
鑑賞
巻第十二 寄物陳思 3087

詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
 宗我の川原で絶え間なく鳴く千鳥を序として、恋い慕う思いに絶え間がないと男に訴える女の歌である。ここから鳥を詠む歌が続き、次歌とは同じ結句で結ばれている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「ま菅よし」は、菅のよい、の意で、「宗我」にかかる枕詞である。
 二句「宗我の川原に」は、奈良県橿原市曽我のあたりを流れる川の川原に、の意である。
 三句「鳴く千鳥」は、鳴く千鳥で、ここまでが絶え間なく鳴くことから「間なし」を導く序詞となる。
 四句「間なし我が背子」は、絶え間がない、あなた、の意で、女が男に呼びかけている。
 結句「我が恋ふらくは」は、私が恋い慕うことは、の意である。次の第三千八十八首、また第三千百六十八首も同じ結句で結ばれている。

ちどり:チドリ科の鳥
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
なかなかに人とあらずは桑子にも ならましものを玉の緒ばかり
次の歌
恋衣着奈良の山に鳴く鳥の 間なく時なし我が恋ふらくは