遠つ人狩道の池に住む鳥の
立ちても居ても君をしぞ思ふ
- 歌の意味
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狩道の池に住む鳥が飛び立ったり降りたりするように、立っても座っても、あなたのことばかりを思っている。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3089
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
狩道の池に住む鳥が飛び立ったり降りたりするさまを序として、立っても座ってもあなたのことばかり思うと歌う。鳥の動きと、落ち着かない人の動作とが重ねられている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「遠つ人」は、遠くにいる人を待つ意から、「雁」の音をもつ「狩道」にかかる枕詞である。
二句「狩道の池に」は、奈良県宇陀市榛原のあたりにあった池に、の意とされる。
三句「住む鳥の」は、住んでいる鳥が、の意で、ここまでが飛び立ったり降りたりすることから「立ちても居ても」を導く序詞となる。
四句「立ちても居ても」は、立っても座っても、の意で、本巻の第二千八百八十一首第二千八百八十七首の「立ちて居て」と通じる表現である。
結句「君をしぞ思ふ」は、あなたのことばかりを思っている、の意で、本巻の第二千九百五十二首と同じ結句である。
とほつひと:遠くにいる人、「待つ」「雁」などにかかる枕詞
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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恋衣着奈良の山に鳴く鳥の 間なく時なし我が恋ふらくは
- 次の歌
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葦辺行く鴨の羽音の音のみに 聞きつつもとな恋ひわたるかも