小竹の上に来居て鳴く鳥目を安み
人妻ゆゑに我れ恋ひにけり
- 歌の意味
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篠竹の上に来てとまって鳴く鳥のように、目に見て親しみやすいので、人妻であるのに私は恋してしまった。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3093
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
篠竹にとまって鳴く鳥のように、目に親しく見慣れていたために、人妻と知りながら恋してしまったと歌う。人妻への許されない恋を、身近な鳥の姿にたとえて述べている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「小竹の上に」は、篠竹の上に、の意で、仮名の行では「しののうへに」と読む。
二句「来居て鳴く鳥」は、来てとまって鳴く鳥、の意で、ここまでが鳥が近くで見やすいことから「目を安み」を導く序詞となる。
三句「目を安み」は、目に見て親しみやすいので、の意とされる。
四句「人妻ゆゑに」は、人妻であるのに、の意で、本巻の第二千九百九首も人妻への恋を歌っている。
結句「我れ恋ひにけり」は、私は恋してしまった、の意である。
しの:篠竹、細い竹
ひとづま:夫のある女
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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白真弓斐太の細江の菅鳥の 妹に恋ふれか寐を寝かねつる
- 次の歌
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物思ふと寐ねず起きたる朝明には わびて鳴くなり庭つ鳥さへ