馬柵越しに麦食む駒の罵らゆれど
猶し恋しく思ひかねつも
- 歌の意味
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柵越しに麦を食べる馬が叱られるように、私も叱られるけれど、やはり恋しくて、思いをこらえきれない。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 3096
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
柵越しに麦を食べて叱られる馬のように、自分も恋を咎められるが、それでも恋しさをこらえきれないと歌う。素朴な農村の情景を序として用い、ユーモアを含んだ一首となっている。ここから馬を詠む歌が続く。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「馬柵越しに」は、馬を囲う柵越しに、の意である。
二句「麦食む駒の」は、麦を食べる馬が、の意で、ここまでが叱られることから「罵らゆ」を導く序詞となる。
三句「罵らゆれど」は、叱られるけれど、の意で、親などに恋を咎められることをいう。
四句「猶し恋しく」は、やはり恋しく、の意で、「し」は強意である。
結句「思ひかねつも」は、思いをこらえきれない、の意で、本巻の第三千十九首の結句と同じ語である。
ませ:馬を囲う柵
のる:叱る、ののしる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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朝烏早くな鳴きそ我が背子が 朝明の姿見れば悲しも
- 次の歌
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さ桧隈桧隈川に馬留め 馬に水飼へ我れ外に見む