人言の繁くしあらば君も我れも
絶えむと言ひて逢ひしものかも
- 歌の意味
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人の噂がうるさいならば仲を絶とうと言って、あなたも私も逢ったのだろうか。そうではなかったはずだ。
- 鑑賞
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巻第十二 問答歌 3110
詞書は前の歌に続き「問答の歌」
噂ぐらいで絶えるような仲として逢ったのではないはずだと、前歌の男の弱気をたしなめる女の歌である。反語によって、二人の契りの確かさを相手に思い出させている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「人言の」は、世間の噂が、の意である。
二句「繁くしあらば」は、うるさいならば、の意で、「し」は強意である。
三句「君も我れも」は、あなたも私も、の意で、六音の字余りである。
四句「絶えむと言ひて」は、仲を絶とうと言って、の意である。
結句「逢ひしものかも」は、逢ったのだろうか、の意の反語で、噂ぐらいで絶える仲ではなかったはずだと、前歌の男の弱気をたしなめている。
たゆ:絶える、仲が切れる
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ねもころに思ふ我妹を人言の 繁きによりて淀むころかも
- 次の歌
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すべもなき片恋をすとこの頃に 我が死ぬべきは夢に見えきや