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すべもなき片恋をすとこの頃に
我が死ぬべきは夢に見えきや

歌の意味
どうしようもない片恋をしていて、このごろ私が死にそうになっているのは、あなたの夢に見えたか。
鑑賞
巻第十二 問答歌 3111

詞書は前の歌に続き「問答の歌」
 どうしようもない片恋に死にそうになっている自分の姿が、相手の夢に見えたかと問いかける女の歌である。次歌の男の答えと一組の問答をなしている。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「すべもなき」は、どうしようもない、の意である。
 二句「片恋をすと」は、片恋をしていて、の意である。
 三句「この頃に」は、このごろ、の意である。
 四句「我が死ぬべきは」は、私が死にそうになっているのは、の意である。
 結句「夢に見えきや」は、あなたの夢に見えたか、の意で、本巻の第二千八百七十四首と同じ結句である。

かたこひ:片思い
作者
作者未詳
出典
万葉集
前の歌
人言の繁くしあらば君も我れも 絶えむと言ひて逢ひしものかも
次の歌
夢に見て衣を取り着装ふ間に 妹が使ぞ先立ちにける