門立てて戸も閉したるをいづくゆか
妹が入り来て夢に見えつる
- 歌の意味
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門を閉ざし戸も閉めておいたのに、どこからあの子が入ってきて、夢に現れたのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 問答歌 3117
詞書は前の歌に続き「問答の歌」
門も戸も閉ざしておいたのに、どこから恋人が入ってきて夢に現れたのかと不思議がる男の歌である。夢に現れることを相手の訪問になぞらえた機知のある発想で、次歌と一組の問答をなしている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「門立てて」は、門を閉ざして、の意で、次歌も同じ初句で応じている。
二句「戸も閉したるを」は、戸も閉めておいたのに、の意である。
三句「いづくゆか」は、どこから、の意で、「か」は疑問を表し、結句の連体形「つる」で結ぶ。
四句「妹が入り来て」は、あの子が入ってきて、の意である。
結句「夢に見えつる」は、夢に現れたのか、の意で、閉ざした家にまで夢で訪れた恋人の思いの強さを不思議がっている。
かど:門、家の入口
さす:戸を閉ざす
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我がゆゑにいたくなわびそ後つひに 逢はじと言ひしこともあらなくに
- 次の歌
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門立てて戸は閉したれど盗人の 穿れる穴より入りて見えけむ